今回は、山口県の瀬戸内海にある離島・周防大島にお試し移住して、移住体験で考え悩んだことまとめます。
残念ながら移住して思うような仕事や暮らしができず、引き返すという話もメディアでみかける地方移住。
実際に離島で移住者にお会いしながら、模索した日々を振り返ります。
目次
待ちに待った瀬戸内海の周防大島でのお試し移住体験のはずが…
自治体運営の貸家「島暮ら荘」で2週間のプチ離島暮らし
田舎移住の準備をはじめた頃から「お試し移住を必ずしてから移住したほうがいいよ」ってアドバイスをよく聞きました。
たしかに少しでも実際住んでみないと、移住後に「こんなはずじゃなかった…」ってなってしまっても、遅い話です。
離島は仕事も限られ、難易度も高くなります。
そう考え、退職してお試し移住することにしました。
残念ながら、在職しながらプチ移住体験できない環境でした。
コロナ禍の影響で、2021年1月に退職して、2月に2週間のお試し移住期間を得て、自治体が運営する短期貸家「島暮ら荘」に入居しました。
昔から島が好きで、海が好きで、美味しい食べ物が好きで、両家の実家に2~3時間で帰れて…
そんな条件を満たす場所として、周防大島を移住候補地に選びましたが、実際住むとなると話は別です。
仕事の問題がのしかかります。
離島の仕事は職種の選択肢が少なく失敗談もちらほら
島の主な仕事は、建設・土木、介護、農業、漁業といった職種です。
特徴としては、橋を渡れば、柳井市、岩国市があり、離島の外に働きに出ることもできます。
20年間デスクワークメインの仕事をしてきた僕は、当初「島外に仕事に出るしかないか」とぼんやり思ってました。
ただ、次第にこっこさんの「田舎暮らし応援ラヂオ」を日々聴きながら考えるうちに、「好きなことを、好きな場所で、好きな人と」というフレーズが離れなくなりました。
妻にも「どうして島の外で仕事しようとするん?」と言われ、移住地で新しい取り組みをしたい気持ちに気づきました。
しかしながら、先月まで都会でマンション管理の仕事をしながら、10月までは資格試験の勉強をしていた身です。
移住後の仕事は、助成金などの支援制度とハローワークで少し調べた程度でした。
退職してお試し移住してから、本格的に検討したいと考えていました。
移住地の再検討と収入の柱を育てる必要を痛感
まだ無理だな…お試し移住しながら…
島で稼ぐチカラ含めた…「準備不足」を痛感した…救いだったのは、準備期間に移住先輩のいろんな「選択」を見てきたから、次の動きをスッと考えられた✨
移住は人生の1ページ!人それぞれ。
今日から納得のいく答えを探しにいく📒#田舎暮らし #地方移住 pic.twitter.com/0R3j7jUXox— ふ ー ち ゃ ん♨️温泉と移住blog (@fuuchannext) February 23, 2021
周防大島での離島の現実と収入を確保する難しさを学ぶ
田舎暮らし体験2週間では生活環境の確認しかできない
それをたった田舎暮らし体験1週間で、「移住してこれをやろう」というテーマはみつからず、2週間目には厳しい「現実」に行き止まってしまいました。
あわよくば、地域おこし協力隊の募集とかないかな…とか思っておりましたが、そんな都合の良い話もなく…
周防大島での仕事は、広島市と比べると時給、月給が、15〜20%低くなるイメージでそれもネックになります。
「離島で生きていく」には、力不足で長い目でみて離島が僕たちにとって「移住適地」であるのかを考え直す必要を痛感しました。
お試し移住の前に、島内の移住者に移住相談させていただきました。
その中で、「移住しても生活が成り立たず引き返す人も多いからよく考えることも必要」とアドバイスいただいたのも、大変ありがたかったです。
失敗できない地方移住 デメリットが大きく移住地の再検討へ
離島暮らしは冬の寒さが辛いことも要因
夫婦で話し合い、仕事の問題や冬の寒さが予想以上に辛い状況だったため、移住候補地を再検討することになりました。
移住するデメリットやリスクの方が大きく上回りました。
残念ではありましたが、サラリーマンから「移住成功した先輩」をみてると、移住の準備に2〜5年かけているのが一般的でした。
なので悲観せず、できることを継続して田舎暮らしの実現に向け頑張っていきます。
周防大島に移住するメリットとデメリット
周防大島を移住候補地として検討したなかで感じた、メリットとデメリットをまとめました。
『メリット』
●移住者が多く、移住者間のネットワークが充実している
●離島だが本州と橋でつながっており生活も便利
●離島ならではの情緒が素晴らしい
●柳井市や岩国市へのアクセスが良く通勤もできる
『デメリット』
■移住者が多く供給過多になっている業種も
(飲食業など)
■冬は風が強く本州よりかなり寒い
■水道代が高い(他自治体から購入しているため)
■仕事の職種が、飲食、介護、宿泊、農業、土木・建設など限られる
■希望の地区で貸家や売買の空き家物件を探すのが難しくアパートも少ない
仕事でいえば、求人自体はあります。
ただ、時給、月収面から、フルタイムのサービス業をのぞけば、一つの仕事で生活していくのは難しいと感じました。
移住者が多く、業種によっては事業化のハードルが高いと感じました。
移住前から、リモートワークなどオンラインの仕事に取組み、複業で生活するのがおすすめです。
瀬戸内での空き家探しについては、⇓下の記事に詳しくまとめています。
周防大島の移住本①:進化する里山資本主義(the japan times 出版 藻谷浩介監修)
周防大島に移住して仕事したい人におすすめの本
2013年にベストセラーとなった「里山資本主義」の続編です。
2020年に刊行されました。
里山資本主義とは「多様なものが共生し、循環再生が健全にさなれる社会」を支える経済思想です。
7年後に出版された続編では、地方移住が時代のキーワードとなった現在において、大きく変化を遂げる、情報インフラや自治体、個人事業主などに焦点をあてています。
周防大島にフォーカスした章もあり、瀬戸内海に移住を考えている方には特におすすめです。
周防大島町が15年の期間を経て、どのようにして、移住で注目を浴び、先進地と言われるようになったか、経緯と実情を説明しています。
観光や訪問するだけでは分からない、田舎の経済や移住者の姿が浮き彫りになっています。
また、ネット社会の発展が、田舎のビジネスや人のつながりにどのような変化をもたらしたか、多くの実例の紹介の中で語られています。
「田舎で躍動する自分の姿」を少しながら、当てはめて考えられるようになったきっかけを与えてくれた本です。
あこがれ、ぼんやりしたイメージでは、良い移住は実現しません。
リアリティをもって考えることができるこの本を推薦します。
周防大島の移住本②:周防大島が分かる「平凡な島の歩き方」
移住者の藤本雅文さんが島内88か所の観光スポットを紹介
周防大島のガイドブックは「平凡な島の歩き方」⇩が一押しです!
周防大島在住のライターさん藤本雅文さんの著書です。
寺下のぞみさんの写真も素敵です。
移住されて現地で生活した知識や体験談、人脈を生かした内容となっています。
周防大島への移住希望者の方は必読です。
周防大島への訪問や移住準備が何倍も充実することをお約束します。
【まとめ】一つずつ行動・解決することが移住の実現につながる
離島移住するメリットやデメリット、お試し移住で学んだことを紹介しました。
移住準備から実現には1~3年程度かけるのが一般的です。
移住の知識をつけたり、今できることから、一つずつ取り組んでみましょう。