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モール泉の由来と魅力と効能について
モール温泉(モール泉)とは、腐植質という植物が地中で長い年月を過ごして炭化した状態をいい、石炭になる前の状態のものを言います。
この腐植質を含む温泉をモール泉と言います。
地中から湧き出たときから、茶褐色や薄い黒色、飴(あめ)色をしており、良質の油のようなにおいがすることが多いのも特徴です。
モール泉は炭酸泉などと同じく、数が非常に少ないのが特徴です。
北海道(帯広)、東京〜神奈川、甲府、金沢、九州(大分県、熊本・宮崎・鹿児島県境エリア)などが、モール泉の多い地域です。
モール成分を含んだお湯は、アルカリ性である場合が多く、美肌の湯、湯質がなめらかなのが特徴です。
珍しいモール泉の入湯体験と効能
モール泉①:七福温泉宇戸の庄(大分県玖珠町)
モール泉に入湯するとまず、お湯の色にテンションが上がります。
通常見るのは、透明色の温泉がほとんどなので、ツヤがかったモールの色にうっとりしてしまいます。
そこに、天然の油に良いクセをつけたような香りがします。
入浴中も、この写真のように見て美しいモールも沢山あります。
温泉によって色が様々で、それもモールの魅力です。入浴中に肌をお湯でなでてもなめらかで美肌の湯。
そして、その色が長い年月、地中で育まれて地上に湧き出ることに神秘を感じたりもします。
写真は、大分県の七福温泉宇土の庄で、ワインレッドの色に微細な炭酸が含まれた、スパークリングワインのような見た目のお湯です。
入浴すると肌に泡付きがあり、肌が生まれ変わるような気分です。
モール泉②:まるた屋温泉西方の湯(大分市)
大分市郊外にある住宅街の温泉。もともとミカン畑だった場所が屋号の由来。
こんな濃い色の温泉でも、湯上がりがさっぱりしてるのも、モール泉の魅力です。
モール泉③:蒲田温泉(東京都大田区)
東京の黒湯のメッカが蒲田です。
温泉銭湯として営業する店が数多く残り、モール泉のはしごをしたのが良い思い出です。
好みで言えば、改正湯が好きでした。
モール泉④:篠原温泉(大分県由布市)
一度休業しましたが、地域住民の要望で復活したと聞き、伺いました。
うす黄色い、沖縄のさんぴん茶のような色が特徴です。
いろんな良質の温泉に入りましたが、モールで特に泉質の良かったお湯として、真っ先に思い出されます。
モール泉⑤:新温泉(熊本県人吉市:現在は閉業)
2020年の集中豪雨の被害を受け、閉業されました。
写真は、2019年に行ったときのものです。
後継者難、天災などで、価値ある温泉が各地で次々となくなっているのも現実です。
モール泉⑥:岩戸湯(大分県耶馬渓町)
スタンプラリーの九州八十八湯湯めぐり対象施設です。
ゴボッ、ゴボッと勢いよくお湯が出る姿に、温泉が生き物であることを感じすはいられません。
モール温泉は数が少ないですが、行くと必ず楽しめ、満足度の高い温泉とも言えます。
一度行くと、僕のようにモール泉にはまってしまうかもしれません。
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【番外編】稀な泉界へ〜広島から大分往復の日帰り温泉旅
日帰りで大分・筌の口温泉新清館・山里の湯・七福温泉宇戸の庄へ
日曜日午前2時。
自宅マンションに迎えの車が到着。
僕よりはるか温泉に情熱を燃やす夫婦にとって、時間は簡単に越えられるハードルらしい。
6時30分。大分の湯布院を過ぎた車を、新緑の九重の山並みと、時おりの湯けむりが迎えてくれた。
8時。
筋湯での1湯目を終えた車は、2湯目の筌ノ口温泉新清館に到着。明媚な露天風呂に、ココロとカラダの鬱積が解放されていき、お湯と緑に身をゆだねた。
なんちゃって、シンフロもしてしまったり。。
今までで入湯した温泉で1番の炭酸の泡付き
9時15分。
新清館から車ですぐの山里の湯に。
家族風呂の炭酸の泡の量は、自分が今まで入湯した源泉かけ流しの中で一番すごかった。
体につく泡のスピードがとにかく速く、見た目の楽しさと入浴後の脱力感がたまらなかった。
食事や湯めぐりを続けながらの午後1時30分。
少し離れた七福温泉宇戸の庄に到着。
薄くきれいな茶色がかったモール泉からスパークリングワインを彷彿とさせる微細な泡立ちにびっくり。
正直これは、反則だなと。
写真に微細な泡を撮れてないのが残念。
これらのお湯は、僕にとって出会うことがめったにない「稀泉(まれせん)」だと思う。
造語だけど、40代のうちはこんな「稀泉」に少しづつでも多く出会いたいと思う。
今年の印象にのこる湯行であり、「午前2時」はきっと正しい時間に思えた。
☆この記事に出てきた温泉施設☆
筌の口温泉新清館
住所 大分県玖珠郡九重町田野
電話 0973−79−2131
営業時間 07:30~23:00(不定休)
入浴料 500円
筌の口温泉山里の湯
住所 大分県玖珠郡九重町田野1268-2
電話 0973−79−2516
営業時間 9:00〜20:00(火曜定休)
入浴料金 中学生以上400円 子供200円 貸切湯2000円
七福温泉宇戸の庄
住所 大分県玖珠郡玖珠町森4398-2
電話 0973−79−2429
営業時間 10:00〜18:00(不定休)
入浴料金 大人500円 小人300円 貸切湯あり
HP:http://www.utonosyo.com/index.html